チッキティータ(ネコミミ魔法少女型)

製作者:
のりおもと





■ 機体の設定・解説

【ショート・ストーリー】

ZAC 2125年〜
一時は中央大陸を支配したネオゼネバス帝国も、復興したネオガイロス帝国との全面戦争により、その勢力範囲の縮小をやむなくされていた。そして、この戦乱のどさくさに紛れ、ネオヘリック共和国が新政府樹立を宣言する。三強鼎立、三つ巴の状態の中、戦争は膠着状態に移行するのである。
三国は休戦協定締結へと動き始める。それは決して「平和」とは言えないものなのかも知れないが、ようやく大陸に戦いの無い日々が訪れるのだ。誰もがそう思った。
しかし…

ZAC 2129年
突如、謎の軍勢がネオガイロス帝国主都と同国重要拠点を同時襲撃。ネオガイロス帝国は一夜にして壊滅する。
全てが異形の無人BLOXから成る正体不明の軍団。その戦闘能力の高さと規模、そして巨大な謎に人々は混乱し、世界は恐慌に陥った。

そんな中、冷静に事態を観察し、世界と己の行く末に暗澹たる思いを馳せる者達がいた。皇帝や大統領達すらも知らない国家最重要機密と歴史の闇を知り、皇帝や大統領達をも凌ぐ権力を握る、一連の真なる実力者達である。
「人型のBLOXとはな……」
「ヒューマノイド・チェンジマイズ……間違いないわ。『彼ら』よ。ついに動き始めたのね」
「そう。『彼ら』がついに表舞台に現れてきたのだ! しかし、一体なぜだ!?」
「そう言えば、『彼ら』がこの惑星に到来して、今年でちょうど100年か」
「ふんっ、グローバリーV事件など大衆向けの茶番劇に過ぎぬ! 100年もの間、我らの歴史を闇より支配せし憎々しき『きやつら』! ようやく光の下に出てきたからには、正々堂々とぶちのめしてやれるというものだ!」
「然り! もはやいっそ、帝国も共和国も無い! 我らゾイド人の力見せてくれよう! 『彼ら』に、ついに引導を渡してくれようではないか!」
「ふぅ……しかし、我々のこの動きすらも『彼ら』の筋書き通りなのかも知れないがね…」
「……」

「…『地球帝国』め……」



ZAC 2029年、惑星Zに不時着した(とされている)移民開拓船グローバリーVには、およそ数十億人もの人間と数十万種の動植物が乗船していた。ゲノム塩基配列表や脳のニューラルネット構造図などのデジタル情報として、コンピューターのメモリ内に収められていたのである。移住先の惑星の環境改造が完了次第、現地調達の生体元素を用いて、彼らの肉体は生命の尊厳と共に再生されるはずであった。

わたしは、自分が目を覚ましたのだと思った。
『チッティ、キミは魔法使いだ。子猫の形に変身できる…』
 何かの声が聞こえる。どうやら、まだわたしは夢の中にいるようだ。
『キミは強力な魔法使いだ。その力でみんなを助けて欲しい。恐ろしい怪物達がボク達を狙うんだ』
 なるほど、見ると気味の悪い化け物達が大挙して押し寄せてくる。オオカミ、ライオン、恐竜、虫、鳥、魚…。巨大な牙を光らせ、鋭い爪にものを言わし、長大な尾を振り回し、口から火を吐き、魔法の矢を放つ。
 きっと母なる故郷を壊してしまった人間達への、大自然の天罰だ。わたしはそう考え、畏れに身を震わせた。
『さあ…チッティ、恐れることはない。キミは偉大な大魔法使いの血を引く選ばれた子だ』
 初耳だった。
『邪悪な魔界の軍団から人々を守るんだ』
 そうだ、これは夢だった。そして、ゲームでもあるんだ。ロールプレイング・ゲーム。わたしのロール(役)はさしずめ正義の(ネコミミ)魔法少女。
「バッカみたい。わたしがこんなガキっぽい夢見るなんて」
 まあ、イタいベタなお姫様か何かの役をふられなかっただけだけマシか。



【機体解説】

『地球帝国辺境開拓軍惑星Z方面部次世代有知性自動兵器実験部隊《シェンシンチャー機関》所属HC チッキティータ』

チッキティータは地球帝国軍所属の人型機械生体兵器である。これらの人型兵器は他のゾイドやBLOXと区別して、特にHC(ヒューマノイド・チェンジマイズ)と呼称されている。
しかし、本来HCは兵器ではなかった。
人類はこれまでの脆弱な肉体を捨て、より強力な機械の身体を持つ存在へと進化し、宇宙空間そのものに生きるようになってこそ、真の宇宙文明を築けるのだ。そう夢想した一派があった。前宇宙時代、地球史上初の二足歩行人型ロボットを完成させた、ある科学者組織の流れを汲む《シェンシンチャー機関》である。彼らは新型兵器の開発を名目に地球帝国国庫から予算を獲得し、軍の一機関として研究を進めていった。そして、惑星Zに、いや、『ゾイド』に出会った時、彼らは自分達の夢想がついに実現に向けて躍進を始めたことを確信したのである。
彼らはゾイド研究を地球帝国軍事技術にフィードバックする一方、惑星Z上で独自の研究活動を進めていった。中央大陸を常に戦争状態に保ち、惑星Zの科学技術発展とゾイドの進化を促進させるのもその一環であった。(『大異変』にはさすがの彼らも万能ではありえないことを思い知らされた。)
そして、辿り着いたのがBLOXであり、その完成形とも言える《機械新人類種HC》であったのである。(ゾイド人達に解放されたBLOX技術は不完全な未完成品である。故にキメラ現象というバグが発生する。)

 兵器としてのHCチッキティータの特徴的主武装は胸元のマジカル・フェザー(MAGICAL:Magnesser Agent Geometrical Isolated Controling Area Lawmaker 『マグネッサー作用力幾何学的孤立制御空間力学法則統御装置』)である。
 マジカル・フェザーは力場影響下にある自機体の持つ運動エネルギーを自在に制御し、瞬間超加速やVの字ターンなどの超常機動を可能にする。「超高能動殲撃格闘形態」では、この超機動力を利用した接近戦により敵を撃滅する。
 「戦域統御魔力掩護形態」ではマジカルの出力を上げ、味方隊列後方より力場を広域展開し、周辺空間にまでその影響力を及ぼす。これにより、味方機の運動状態を制御し機動性・物理攻撃力を向上させ、あるいは飛来した敵砲弾・ミサイル・接近してきた敵機の運動を停止させるなど、それはまさに魔法のごとき戦術掩護を行うのである。この際、マジカル・フェザーはマジカル・ステッキに換装する。
 また、BLOXシステムゆえの副産機構として、子猫型四足方向形態に変形可能である。この形態で前方に高剛性力場を展開しての突進攻撃は非常に強力である。

 惑星Zの通常ゾイドに対して超越的な高性能を誇るHCチッキティータであるが、制御人格として選出された少女(11歳)の性格的問題により、現在そのポテンシャルを十分に発揮できていないようである。シェンシンチャー機関は近く少女の人格の余剰部分を削除し、情報処理系として完全に戦闘に特化させる予定である。
 果たして、彼らはその本末転倒ぶりに気付いているのかどうなのか。



※あえて書くまでもないことですが、上記は全て筆者の妄想で、公式設定・バトストなどとは一切関係はありません。
  







■ 工作・塗装等

◎使用BLOXその他
ダブルアームリザード
ナイトワイズ
フライシザーズ
デモンズヘッド
バスターイーグル
カプセルBLOX 植物
同 砲台
モルガ
     各一個(色にこだわるのなら植物は色違いで二つ)
 
使用ブロック 計19個(内 球状2個)


◎本作品の最大の特徴とも言える頭部は、額はモルガのパーツ ・ フェイス部はガシャBLOXの球状ブロック ・ ジョイントとして同じくガシャ砲台の丸いパーツ(中心部に付くやつ)を組み合わせて作っています。本スレで問い合わせたところ、自作外装パーツもOKとのことなので、この程度の改造パーツも許容範囲であろうと判断しました。各パーツの固定にはエポパテを使っていますが、両面テープの積層でも代用できます。(最初はそうしていました)
◎その他は一部のパーツの軸を瞬着で太らせて保持力を上げたぐらいで、基本的には無改造です。



【製作後記】

今回のコンセプトは、バーチャロンのフェイ・イェン系やメダロットの女性型のような「萌えメカを作る」でした。それにあたって、あの頭部構造のアイディアを思い付けたのは僥倖でした。かなりネコミミ魔法少女っぽさをかもしだせているのでは。
それにしても、一番苦労したのは趣味性全開の設定およびストーリーです。とにかくやたらと不必要に長文になってしまってごめんなさい。










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